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「風葬」★★★☆☆

Burial Site 2.jpg"Burial Site 2" by Peter Ruckstuhl - Deutsch Wikipedia [1]. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

風葬(ふうそう)は、遺体を風にさらし風化を待つ葬制で、世界各所に見られる。崖や洞窟、樹上で行われることもある。日本でもかつて沖縄、奄美などで見られたが、現在は行われていない。
風葬 - Wikipedia: フリー百科事典 (2015/07/25 14:18 JSTの最新版)

評価:★★★☆☆


俺は異文化の話を読むのが割と好きだ。特に日本でやろうとするならば、批判されるどころか口にするだけで人間性を疑われるような話が好きだ。いかに自分の常識というものが絶対的なものではなく、あくまでも特定の時代の特定の地域固有のものだと思い知らされる。そういう観点から考えると葬儀関係は実に興味深い。なにしろどこの文化でも大まじめに変なことをやっていて、その作法を異文化に持ち込むと大変なことになる。ヘロドトスも文化の違いについて葬儀が挙げられていた。そしてこの風葬もまた文化の違いを教えてくれるいい例だ。

この風葬の風とは「ワムウは風になった――」の風である。風化していくのを待つといっても、そこら辺に放置というわけではなく、横穴や棺など特定の場所に置かれる。今の日本ではそれこそありえない方法であるが、ある意味一番簡単な方法だけあって東南アジア、オーストラリア、北アメリカなど世界中で行われている。さらには日本においても沖縄や離島など、埋葬できる土地が限られているような場所では行われていたし、さらに遡れば京都でも行われていた。理由は金が掛からないから。日本に限らず時代の流れで風葬を止めた地域も多いが、その一方で文化保全のために続けているところもある。ぜひそのままでいて欲しい。

一口に風葬と言っても、その実態は様々だ。特に興味深いと思ったのは、遺体を鳥に食わせるのを認めるか否か、という点だ。例えばインドネシアのバリ島では遺体を棺には入れないけれども竹籠で覆うことはして、鳥がついばむのを防いでいる。一方でボルネオ島のイバン族は台の上に遺体を置くが、これは有力者に限られる。そしてその力にあやかろうと、遺体を闘鶏に啄ませることもあるという。ご存知の通りチベットなどでは鳥葬もあるわけで、このように相反する儀式を知ってしまうと、葬式の作法とか割とどうでも良くなる。