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「ユリウス通日」★★★★☆

ユリウス通日(ユリウスつうじつ、Julian Day、JD)とは、紀元前4713年1月1日(-4712年1月1日)の正午(世界時による。)からの日数である。単にユリウス日(ユリウスび)ともいう。なお、ユリウス日の換算においては、紀元元年の前年を0年としているため、これを紀元前1年とする方法とは1年ずつの差異があることに注意しなければならない(例えば-4712年は紀元前4713年である)。
例えば、協定世界時UTC)での2015年1月31日11:39:00 のユリウス日の値は、2457053.98567である。
ユリウス通日 - Wikipedia

評価:★★★★☆


またカエサルだ、と言いたいところだが、このカエサルガイウス・ユリウス・カエサルではない。ユリウス・カエサル・スカリゲル(フランス語名はジュール・セザール・スカリジェ)の名前から来ている。この人はユリウス通日を作ったスカリゲル(ジョゼフ=ジュスト・スカリジェ)の父親である。なんで父親の名前なんかと思ったが、この親父は「ルネサンス期におけるいわゆる「万能人」の一人と位置付けうる博学多才の人物」であったらしく、ちゃんとWikipediaにも記事がある。
ジュール・セザール・スカリジェ - Wikipedia
なお、肝心の製作者である息子の方の記事はまだない。

このユリウス通日は日付の換算や日数計算を簡単にするもので、1582年のユリウス暦からグレゴリオ暦への改暦がきっかけとなっている。やっぱりガイウスのカエサルは関係していたのだ。もっとも、今回の場合はカエサルの方に不備があったためなのだが。そして面白いのが、もともとスカリゲルはこれを年代学のために作ったのだが、200年以上も後に天文学者のジョン・ハーシェルが、日数や時間の計算に便利であると使ったのがきっかけで、天文学において使うようになったわけである。一つの目的を完璧に遂行できるようにつくられたシステムは、他の目的にも転用は可能になる、とはここでも言えるのだ。

たかが日数を計算するためだけのものであり、言ってしまえば新しく「元年」を過去にさかのぼって定めただけのもの過ぎないわりに、この記事は色々と情報が書かれていてためになる。歴史は当然として、ユリウス通日にするための換算も書かれており、ちゃんと例も載っている。他にも曜日や十二支の求め方など、ユリウス通日を使う際に必要と思われる内容はだいたい抑えていると言って良さそうだ。他の記事でもこんな感じで使う人の助けになるようなことまで書いてあるといいのだが。

暦と時間の歴史 (サイエンス・パレット)

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