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「パルティア」★★★★☆

パルティアの位置"LocationParthia". Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

パルティア(古典ギリシア語:Παρθία, 古典ラテン語:Parthia, 紀元前247年頃 - 228年)は、カスピ海南東部、イラン高原東北部に興った王国・遊牧国家である。パルニ氏族を中心とした遊牧民の長、アルサケスが建国した。
パルティア - Wikipedia

評価:★★★★☆


俺の中でパルティアンショットとローマの敵ということで有名。人類の歴史の中で長い間、遊牧民族は高い戦闘能力を有していた。何しろ蒸気機関車が出るまでは陸上の移動において馬が最速であり、その馬を自由自在に操るだけでなく、保有量も桁違いに多かったのだから当然だ。なにせ史上最大の国家はモンゴル帝国で、面積は最盛期のイギリスより広く、陸地の25%にも及び、世界人口の過半数がその支配下になっていた。このパルティアもやはり強かった。なにせローマのすぐそばにあったというのに500年近く存在し続けたのだから。

『ローマ人の物語』を読んでいると、パルティアはオリエントにいる宿敵としての印象が強い。ローマの指導者たちは自らの力を示すためと東の平和のため、何度もパルティアに挑むが滅ぼすまでには至らない。そしてパルティアの王が替わるたびにローマへと攻めてくるのは恒例行事とすら言える。しかし、このパルティアの記事を読むと印象が180度変わる。なにかあるたびにローマの侵入を受け、アルメニアやらメソポタミアなどを奪われる。許すまじトラヤヌス。

遊牧民族と言うと、戦闘能力は高いが、文化的にはちょっと…… という印象を抱きがちだ。しかしパルティアはかつてのアレクサンドロス帝国の東側、ようするにセレウコス朝の領域に存在しただけあって、ヘレニズム文化の継承者となっている。少なくともドナウ川の向こう側から上半身裸で襲ってくる連中とは違うのだ。戦闘面と文化面の両方で優れていたとか割りと優秀な国家であったのだが、ローマと同時期に成長したのは運が悪い。アニメで言えば主人公ローマの前に立ちふさがり、1シーズンの終わりにやられた感じだ。それも新キャラであるペルシアの噛ませとして。たぶん捨て台詞を吐いて死ぬ。

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