Wikiしゃぶり

Wikipediaの記事をネタに語るブログ

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

「カタフラクト」★★☆☆☆

Ancient Sasanid Cataphract Uther Oxford 2003 06 2(1).jpg"Ancient Sasanid Cataphract Uther Oxford 2003 06 2(1)" by John Tremelling - http://www.remountdepot.com/. Licensed under GFDL via ウィキメディア・コモンズ.

カタフラクト(古代ギリシャ語: κατάφρακτος, Kataphraktos)は、古代末期のローマ帝国ないし東ローマ軍で考え出された複数の武器と重装甲を持った重騎兵。特に突撃の際に重要になる軍馬の前方のみに装甲を施した騎兵をいう。ギリシア語で「甲冑に囲まれた(もの)」に由来する。また、彼らと戦ったサーサーン朝ペルシャやその周辺国家の同様の重騎兵に対しても呼称する。
カタフラクト - Wikipedia

評価:★★☆☆☆


今となってはカタフラクトというと、『アルドノア・ゼロ』のロボットを思い浮かべる人も多いだろうが、やはり俺はAOCが出てくる。まさに器用貧乏という表現がふさわしいビザンティンのユニークユニットであるそれは、強化することで前方だけでなく周囲の相手にもダメージを与えられた。この固有能力と馬全体をおおう装甲から察するに、あれはビザンティンでいうところのクリバナリウスだったのではないだろうか。この両者の違いは装甲の範囲が前方のみか全体かというものだ。

このカタフラクト、調べていくにつれ、俺の考えた最強の騎兵というようなものに思えてくる。人だけではなく馬にも施された重装甲。弓、剣、槍、鎚、それに盾と複数の装備を持ち、一人で射撃も近接戦闘も可能となっている。それゆえに運用の仕方としては戦闘の開始時にカタフラクトだけで相手の戦列に突っ込ませ、弓兵には装甲で、歩兵には弓で、とその重装備で押し切るというものだった。TCGで言うところののグッドスタッフみたいなものなのだろう。金がかかるのも似ている。

このカタフラクトの装備というのはローマ伝統のものではなく、フン族から合成弓を、アバール人から槍と鐙をと、蛮族の寄せ集めみたいなものとなっている。装備だけでなく、中身である人の方も騎乗技術に優れた蛮族たちだ。東ローマをローマと呼ばずにビザンティンと、別物扱いしたくなる気もよくわかる。しかし別物になったビザンティンが滅んだのは15世紀半ばと西ローマよりもおよそ1000年も後である。こうしてみると変化できる者が生き残れるというのは間違えていないし、カタフラクトはその象徴とも言えると思う。