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「インバー」★★★★☆

Invar 800.jpgInvar 800" by U.S. Research center - http://images-of-elements.com/other.php. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

インバー (invar) とは合金の一種であり、常温付近で熱膨張率が小さいことが特徴である。鉄に36 %のニッケルを加え、微量成分として0.7 %ほどのマンガンおよび0.2 %未満の炭素が含まれる。Invarという名称はInvariable Steel(変形しない鋼)から名づけられた。日本語では不変鋼とよばれる。フランス語読みでアンバーともいう。インバーの線形膨張係数は鉄やニッケルのおよそ1/10である。
インバー - Wikipedia

評価:★★★★☆


「熱膨張って知ってるか?」この質問に対する答えがこのインバーだ。またの名を「不変鋼」、これだけで最強の金属に思えてくる。説明にもあるように熱膨張率が小さい金属であるため、精密性を求められる装置や、熱応力の影響を減らしたい際に使われる。これを「航空宇宙産業に使われる金属である」と書くとそれだけで凄さが2割増し。実際に凄いし、コストの方もそれに見合っている高さのだが。

この記事は結構充実していて、内容がこの金属について偏りなく書かれているのがポイント高い。特に「合金内のニッケルの質量含有率に応じた膨張係数の変化」のグラフは、この鉄-ニッケル合金のおもしろい特性が一目でわかるから重要。ちょうどニッケルを36%含んだものであるインバーが、最も熱膨張率が小さくなる。ただし、この低い熱膨張率は常温における時の話であり、温度が上がると熱膨張率も急激に上がっていく。この特性もちゃんとグラフ化されている。

このように歴史・特性・用途とわかりやすく説明がされているのだが、ひとつ気になる点がある。「歴史」の節で

二次的基準規則の完璧な解決策がなかったため、

と書いてあるのだが、このいきなり出てくる「二次的基準規則」とは何なのだろうか。ググってみてもこのWikipediaの記事しか出てこない。この手の用語については注釈が欲しいところである。

構造、状態、磁性、資源からわかる金属の科学

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