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「マーシャリング (紋章学) 」★★★☆☆

Stowe Armorial.jpg"Stowe Armorial" by P. Sonard - 不明. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

マーシャリング(英: Marshalling)は、紋章学において2つ以上の紋章を統合したり、統合した紋章の場所をある定石に従って移動したり、統合した紋章を取り除いたりして紋章記述を整列・整理することである。マーシャリングは、主に紋章を持つ2つの家が婚姻する際に行われるが、戦争、侵略の結果や政略的な合意に基づく国家あるいは領土の併合又は分割の際にも実施される。
マーシャリング (紋章学) - Wikipedia)

評価:★★★☆☆


紋章学などこれっぽちも知らない俺は、分割された紋章を見るたびにダサいデザインだなと思っていた。なぜこうも工夫も統一性も無いデザインにしてしまうのか、と。だがそれは単に俺が無知だったからに過ぎない。むしろ統一されてしまっては紋章の意味がなく、どこの家系同士がくっついたのかはっきりと分かる必要がある。そういう意味ではカドカワという統合はマーシャリング的には間違っている。ディミディエイションを使うなら「カド|ンゴ」とするべきだ。

マーシャリングの主な方法には4通りあるが、興味深いのはやはりクォータリングだ。2つのマークをそれぞれが分かる状態で合体させようと思うなら、普通は左右あるいは上下二分割をまず考える。ところがクォータリングは十字に分割した後にそれぞれの紋章を2つずつ配置していく。なぜ分割を増やした。そして分割して配置するという手法を選択したところで当然気になることが出てくる。それはクォータリングされた紋章同士がくっついたらどうなるのかということだ。答えはこのトップに引用した画像の状態になる。あれで一つの紋章なのだ。

さすがに上記画像は特殊な例で、実際は6つ以上の紋章を含みそうになったら整理が行われる。ようするに重要度の低い紋章を取り除いてしまうのだ。紋章の実用性を考えれば当然の帰結だが、立場の弱い家系はそもそも存在しなかったという扱いになるということで、現実は非情である。きっとこれは紋章にかぎらず、名前にも言えるのだろう。例えば2つの会社が統合し、新しい社名から片方の社名が跡形もなく消える場合とか。

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