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「地中海世界」★★★☆☆

Carte de la mer Méditerranée.png"Carte de la mer Méditerranée". Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

地中海世界(ちちゅうかいせかい)とは、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸、西アジアのあいだに挟まれた「地中海」沿岸の領域を指す。地理的な領域であるが、この領域は太古より様々な文化や民族の相互交流が絶えず、とりわけ古代から中世初期にかけては一つの独自な文化圏を形成していた。
地中海世界 - Wikipedia

評価:★★★☆☆


要するにローマの話である。もちろんロームルスとレムスが川に流される前から地中海周辺には文明が有り、その穏やかな海を通じて交易や略奪、植民が行われていたわけであるが、ほとんどプロローグに過ぎない。なにせこの記事の最後は(to be continued)で〆られていて、これはローマ帝国が分裂したところで文化もまた分裂してしまったことによる。おそらくこの記事を書いた人は、もう地中海世界という一つの世界と呼べなくなったからこれで終わりとしたのではないだろうか。

この記事では基本的に地中海世界を時系列順で書いている。ただし区分けの仕方によるものだろうが、一部時代が前後していてそこがわかりにくい。具体的に言うと、「古代」の終わりはローマの勢力拡大の話となっているのに、次の「ヘレニズム時代」は時間を巻き戻してマケドニア~ディアドコイの話が書かれている。確かにマケドニアの躍進とローマの登場は時代的に重なる部分もあるが、第二次ポエニ戦争はアレクサンドロスの活躍から100年も経っている。第一、「共和制ローマ」で同じ時代について書くことを考えると、端折ったほうがいいのではないだろうか。

地中海は穏やかな海であるために交流が盛んで、そのため文化も技術も発展したと聞く。日本の歴史で最初に登場する有名人といえば卑弥呼と言っていい思うが、その時の地中海世界は軍人皇帝時代にあたる。テルマエ・ロマエの時代はそれより70年前で、アド・アストラは450年前。そしてヒストリエは580年前だ。よくもまあそんな昔からキャラの立った人物が登場し、その記録が残っているものだと感心する。

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