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「ピグー税」★☆☆☆☆

ピグー税(ピグーぜい、Pigovian tax)とは、イギリスの経済学者、アーサー・セシル・ピグーが考案した税。ピグー的課税などとも呼ばれる。
ピグー税 - Wikipedia: フリー百科事典 (2015/10/16 21:50 JSTの最新版)

評価:★☆☆☆☆


『ヤバい経済学』を読んでからというもの、規制とインセンティブの関係に興味がある。もともと人の行動を変えさせるのに、良心に訴えかけるとか逆に一律禁止にする、というのはクソだと思っていた。そして正しい方法は、本人がそうしたほうが得だと思うようなシステムである、とも。おそらく経済学者という者はそのような考え方を常日頃からしているに違いない。このピグー税はまさに経済学者が環境保護のために考えだした税であり、環境税の第一案ともいうべきものである。

企業がその活動において環境汚染を生じさせる時、これは社会にとって不利益なことである。しかしながら、それが企業にとって直接の不利益にならない場合、企業は無視して活動に専念したほうが得である。そこでその環境汚染の度合いによって税がかかるようにすると、企業は自らの利益のため、汚染を抑える努力をするようになる。この税がピグー税である。なかなかいい感じの方法であるが、その一方で汚染を検証できなければ課税もできないといった問題もあり、全てにおいて使えるわけではない。

この発想というのは環境問題にかぎらず、他にも転用できる気がする。ようするにどの程度社会にとって不利益となるのか計測ができて、そのコストを生産者に払ってもらえるようにできればいいのだ。計測ができるというところにだけ注目すれば、これは全てがデータ化されているWeb関連の社会問題に使える気がする。ここしばらく話題になっていたブクマ互助会とか。問題はどうコストを支払わせるかというところになるのだが。

ピグー 知識と実践の厚生経済学

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