Wikiしゃぶり

Wikipediaの記事をネタに語るブログ

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

「プリンケプス」★★☆☆☆

Caesar augustus.jpg"Caesar augustus" by 不明 - English Wikipedia, original upload 4 June 2004 by ChrisO under same filename. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

プリンケプス(ラテン語: Prīnceps プリーンケプス)は、帝政ローマ初期の政治体制の中心人物に対して使われる称号。ラテン語で「指導者」もしくは「第一人者」を指し、日本語では元首、第一人者という訳語が使われることが多い。ローマ皇帝の地位を代表して指す称号として使われるため皇帝と意訳されることもある。
プリンケプス - Wikipedia

評価:★★☆☆☆


プリキュアで「私、プリンセスになりたい」と聞くたびに、一般人がプリンセスになるためには王子を誘惑するしかないと思う。あまりに無謀に思えるけれども、プリンセスになれるよと肯定したのは王子であるし、プリンセスになるための修行も基本的に花嫁修業みたいな内容なので、意外にスジは通っている。しかし俺としては特定の個人に好かれなければなることのできないプリンセスよりも、その語源となったプリンケプスを目指したほうが健全だと思う。実質的に2年前と被ることになるが。

このプリンケプスを作ったと言ってもいいのが初代ローマ皇帝のアウグストゥスことオクタウィアヌスである。正確に言うと彼は言葉の意味を変えてしまったのだ。もともと元老院において中心人物に使われた称号が第一人者という意味のプリンケプスであり、せいぜい議論の最初と最後に発言できるという程度の権利しか無かった。それをオクタウィアヌスは様々な権限を掌握した時に、独裁的なイメージは無いけれども上に立つものにふさわしい称号としてこのプリンケプスに目をつけた。

もともと独裁、特に王政のイメージを持たれないように使った言葉が、今ではプリンス・プリンセスとして王家の人間に使われるものであり、王政のイメージしか無いのが面白い。まるで直接的に排泄のイメージを持たれないよう「お手洗い」や「化粧室」という呼称にしても、時が経つにつれて排泄のイメージしか無いのに似ている。結局、直接的にイメージされないような名前を選んだとしても、時が経てばその名前の方に本質のイメージがついてしまうものなのだ。

アウグストゥス: ローマ帝国のはじまり
アントニー エヴァリット
白水社
売り上げランキング: 434,800