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「千歯扱き」★★★☆☆

Japanese old threshing machine,Senba-koki,Katori-city,Japan.JPG"Japanese old threshing machine,Senba-koki,Katori-city,Japan" by katorisi - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

千歯扱き、千把扱き(せんばこき)もしくは千歯(せんば)は、元禄期に和泉国の大工村(現在の大阪府高石市高師浜の一部)で考案された日本の古式の脱穀用農具。木の台の上から鉄製、もしくは竹製の櫛状の歯が水平に突き出した形をしている。稲扱きと麦扱きに分かれる。
千歯扱き - Wikipedia

評価:★★★☆☆


日本の歴史の教科書においてはその印象の強さから考えるに、蒸気機関より偉大な発明と思われる。俺の記憶をたどってみるとこれを初めて教科書で見た時はこんな感じだった。「こんなのがすごい発明?」「今まで誰も思いつかなかったのか?」「それまで扱箸でちまちま脱穀していたのかよwww」しかし今ならこう思う。鐙ですらマケドニアもローマも思いつかなかったのだから、こんな脱穀専用の道具を思いつく人間がいなくともおかしくはない、と。

教科書には脱穀が便利になったよ程度のことしか書かれていなかったが、さすがはWikipediaなだけはあって俺の知らないことがいろいろ書いてある。俺的に面白かったのは、それまで非効率であった扱箸による脱穀が未亡人の貴重な収入源であったのに、千歯扱きの登場でその仕事が無くなってしまったということ。その結果、この千歯扱きは「後家倒し」の異名を持つことになったらしい。機械化によって人の仕事がなくなるというのは江戸時代においても同じであったのだ。

だいたいの歴史関係に言えることだが、千歯扱きのように小学校・中学校でさらっと触れただけの道具について、成長してから調べると新しい事がわかって面白い。授業では新しい何かが登場しましたということを知っておけば十分ということだが、現実にはその道具一つ一つに目的やそれによる影響などのストーリーが存在している。このような過去に習ったことについて詳しく知りたい時もWikipediaはちゃんと答えてくれるので偉い。あらためてWikipediaの重要性を実感した次第である。