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「煙突男」★★★☆☆

Kiyoshi Tanabe (01) Scan10042.JPG"Kiyoshi Tanabe (01) Scan10042" by Unknown Scanning and editing was done by Ogiyoshisan (Last edited January 16, 2014) - "Showa Day by Day" volume 2, Kodansha Co., 1989. 『昭和 二万日の全記録 第2巻』講談社、1989年、p.217. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

煙突男(えんとつおとこ)は、1930年(昭和5年)に神奈川県川崎市(現:川崎区域)の紡績工場の労働争議の際に、争議の支援活動として工場の煙突に登り、そのまま6日間にわたって居座る事件を起こした人物(田辺潔、1903 - 1933)につけられたあだ名。
煙突男 - Wikipedia: フリー百科事典 (2015/08/22 22:42 JSTの最新版)

評価:★★★☆☆


なんだかヘドリアンみたいな名前だなと思ったら、煙で汚れて真っ黒だったそうなので、あながち間違いではないと言ったら失礼か。名前の由来は引用にあるように、煙突の上で6日間(130時間22分)も居続けたからだ。これを知ってまず気になるのは食事と排泄だろう。食事はもともと5日分の食料を持っていたのに加え、一度は補給も受けている。そして排泄の方だが、大便は1度もしていないと言っている。もともと便秘でなかったとしたらすごい精神力だと感心せざるを得ない。辛かったのはそれらよりも寒さと風のほうで、11月にそんな所にずっといたらそうだろう。

行動自体はわりと笑い話っぽいけれども、背景を知るとそうでもなくなる。世界恐慌をきっかけとした会社の解雇、それに対して労働組合が争議団を結成しての交渉。一度は調停されたが、争議は再開してサボタージュ闘争が行われる。それでも会社側は強硬な姿勢を崩さず、争議団は資金難に陥った。こんな状況を打破するために、彼は煙突に登ったのだ。さらに数日後には昭和天皇の乗ったお召し列車が近くを通過する予定となっており、その時にこんなことが起きていては、というタイムリミットも設定されていたのだ。これだけで読み切りの作品として使えそうである。

俺はこの手の方法で自分の意見を通そうというのは、あまり利口なやり方に思えないので好きじゃないけれども、ちゃんと目的を達成しているのは評価する。今なら間違いなくTwitterやその他いろいろで実況されるし、バッテリーが持つなら煙突男自身も実況できるので、この時よりもっと面白くなりそうだ。会社側にはたまったものじゃないが。なおこの煙突男は2年後に山下公園の堀から遺体となって発見されたらしい。事故死として報じられたが、赤旗では警察に逮捕された後に虐殺されたと伝えている。煙に巻かれたか。

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