"Starr 080616-9037 Synsepalum dulcificum" by Forest & Kim Starr. Licensed under CC 表示 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
ミラクルフルーツ (miracle fruit) は、西アフリカ原産のアカテツ科の果物。果実自体は甘くないが、次に食べた物を甘く感じさせる特徴を持つ。ミラクルベリー (miraculous berry) とも呼ばれる。
ミラクルフルーツ - Wikipedia: フリー百科事典 (2015/09/03 23:13 JSTの最新版)
評価:★★☆☆☆
次に食べたものが甘くなるとか、どうせめちゃくちゃ酸っぱい果実とかなんだろと思ったらそんな事はなかった。ミラクルフルーツには糖タンパク質であるミラクリンが含まれており、このミラクリン分子が味蕾と結合することによって、苦味や酸味を甘みへと変換するのだ。ミラクリンすごい。このミラクリン効果は30分から2時間程度持続するらしいので、クルクリンよりも便利そうだ。ミラクルフルーツの原産地である西アフリカでは、食事の前にこれを採ってかじっていたらしい。メシマズに対する答えの1つかもしれない。
このミラクルフルーツの特殊な効果は、進化の賜物であるという。多くの果実が甘いのは、それを動物に食べてもらうことで種子の散布をしてもらおうという狙いがあるからである。しかし、もし糖分を少なくしても同じように食べてもらえるのであれば、その方がコスパが良いと言える。ミラクルフルーツはその発想を突き詰めたものであり、自ら糖分を用意しなくても、他の果実と一緒に食べてもらうことで散布をしてもらおうという魂胆だというのだ。つまりミラクリンは他の果実にタダ乗りするための産物であるのだ。マジかよ最低だなミラクるん。
ミラクルフルーツの使い道は、当然このミラクリン効果を求めてのものとなる。この他のものが甘くなるという効果はダイエット中の人や糖尿病患者など、甘いモノを禁じられている人にとって救いとなる。砂糖が含まれて無くても、レモン汁をかけてミラクルフルーツを舐めてから食べれば、それはスイーツとなる。当然ミラクリンを大量生産しようという研究は行われており、筑波大ではレタスにミラクリン遺伝子を注入して大量発現させることに成功している。もしミラクリンが安く手に入るようになったら、唐揚げに振りかけるテロをしてみたい。