"Cyrylicka litera omega" by Szczecinolog - 投稿者自身による作品. Licensed under GFDL via ウィキメディア・コモンズ.
Ѡ, ѡ は、初期キリル文字の一つで、現在は使用されていない。ギリシャ語のΩ、ω(オメガ)を起源とする。
Ѡ - Wikipedia
ωかと思った?残念! ……なんて言えばいいかわからない。/o/に近い音を表していたと考えられているが、その音は (О) で間に合っており、その結果廃れていったらしい。ここまで書いたところで、元記事の方の情報をほぼ使いきってしまった。この手の短い記事は題材に興味を持って取り上げてみるものの、結局書くことがなくて困る。しかも今回の場合は単に知られていないから情報が少ないというわけではなく、不必要だから消えていった文字の話だ。専門化でもない俺が取り上げるのには無理があるのか。
しょうがないのでこれに関係する話を書いてみる。これの元になったギリシャ語のΩであるが、こちらの方は当然Ο (オミクロン) との違いがある。正確にはあったというべきであるが。古代ギリシャ語ではΩは円唇後舌半広母音であるのに対し、Οは円唇後舌半狭母音だったので区別が付けられた。しかし現代ギリシャ語ではΩも円唇後舌半狭母音となってしまったため、区別するために「オ・メガ (大きいオ)」と「オ・ミクロン (小さいオ)」と名づけたというわけである。なんてもっともらしく書いているけど、Ωの名前の由来は今回知った。
単にΩと間違えて開き、それをそのままネタにしようと取り上げたというわけであるが、こんなごく僅かな情報しか書かれていない記事であっても、知識を増やすきっかけにはなるということを再認識させられた。今回これをきっかけに知ったことを挙げてみると、上に書いたΩとΟの由来、言語学の転写、キリル文字の起源などがある。これでまた一つ賢くなったと言っていいだろう。しかし、アルファでありオメガである、とはまだまだ言える気がしない。