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「解放奴隷」★★★☆☆

解放奴隷(かいほうどれい、英: Freedman, 羅: Libertus)とは、奴隷制の社会において奴隷身分より解放された人々のこと。歴史的文脈においては、特に古代ローマアメリカ合衆国の解放奴隷を指すことが多い。
解放奴隷 - Wikipedia

評価:★★★☆☆


奴隷を解放するということについて、古代ローマに興味を持つまでは人道的な理由意外ではありえないと思っていた。というのも奴隷というのは所有物であり、主人が好きな様に使える。そうとなればわざわざ自らその権利を手放すのは合理的とは思えない。しかしこの発想は俺の中にある奴隷のイメージが偏っていたから他ならない。俺は奴隷の仕事と言えば肉体労働であると思っていて、これならば解放するメリットは少ない。しかしながら古代ローマにおいては知的作業を担う奴隷もいた。これならば自主性に任せ、好きにやらせたほうが生産性が高くなる。

この記事には、解放奴隷がどういうものであるかとして、なぜ奴隷を解放したかということについて理由がちゃんと書いてある。上で俺が書いたのもあくまで理由の一つに過ぎず、これ以外にも解放したほうが得であったという事があるのだ。これらを読んでいると、人間を使う上で支配して強制というものはそれほどオススメできるものではないのだと思えてくる。もちろん、人道的観点に立てば論外であるのだが、純粋に自分の利益だけを考えたとしても、ということだ。管理するなら自分の労力や金を使わなければならないが、自己責任にしてしまえば煩わしさから解放される。

記事の内容そのものは勉強になって面白いのだが、歴史系の記事であるのに脚注はおろか、出典すら一つもないのはよろしくない。唯一Wikipedia以外からの情報源として書かれているのが関連する“文学作品”というのだから残念すぎる。まあ『ローマ人の物語』を参考文献として紹介されるよりは全然マシだけど。いくら史実を元に書いてあるとはいえ、小説はソースとして使えない。もっとも、こんなことを書いている俺自身が、情報源の書いていないようなWikipediaから知識を得ているのであるが。