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「ヒラムシ」★★☆☆☆

Pseudobiceros hancockanus.jpg"Pseudobiceros hancockanus" by Jens Petersen - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

ヒラムシ(扁虫、平虫)は、磯の石の下にすむ扁形動物渦虫鋼ヒラムシ目(多岐腸目)動物の総称。海産で、岩の表面等を這って生活している。一部には寄生種がある。
体は扁平で、表面は粘液で覆われている。頭部背面には触角のような突起を持つものがある。
ヒラムシ - Wikipedia

評価:★★☆☆☆


平べったい生き物だからヒラムシ。実に安直な名前であるが、体の方も実に単純だ。循環器や呼吸器が存在せず、拡散作用によって酸素を取り入れている。さらに頭らしい頭も存在しない。ただし、感覚器及び神経節が前方に集中しているため、実質的にその集中部分が頭部とみなされる。

が、このようなことは割りとどうでもいい。生物学者ならともかく、俺のような一般人にとってのヒラムシのイメージは一つしか無い。そう、ペニスフェンシングだ。冒頭の写真はヒラムシの一種である Pseudobiceros hancockanus というのだが、こいつの生殖行為はずいぶんと変わっている。こいつらは雌雄同体で、相手を見つけると自分の生殖器を相手に突き刺そうとする。そして先に相手に精子を流し込まれた方が雌となり、相手の子を生むことになる。まさに雌雄を決する戦いが行われるのだ。


World's Weirdest - Flatworm Penis Fencing - YouTube

生物の生殖行為でここまですごいと思わされたのはナメクジ以来だ。人間の感覚だと、生殖器を刺す場所は相手の生殖器と思い込んでいる*1が、こいつらは体のどこでも構わない。おそらく拡散作用に頼るような単純構造だからできるのであろう。どちらも雄になろうとする理由は、おそらく「ベイトマンの原理」に則っているからだろう。勝った方は他の相手とも交尾できるが、敗けた方はもう産むまで他の相手とはできない。勝ち続ける限り、遺伝子をばら撒けるというわけだ。

しかし、残念なことにこの話はWikipediaに載っていない。おそらく英語版 (Polycladida) にも載っていないからだろう。しかし、英語版にはPseudobiceros hancockanus の記事が存在し、こちらには書いてある。また、ド直球にPenis fencingが存在する。なぜ日本語版には存在しないのか。草食化が進む日本には向かないのかもしれない。

*1:あくまでも生殖行為においての話だ。